猫額洞の日々

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2017年 07月 07日

(1)エリザベス・ヘイ/柴田京子 訳『ガルボ、笑う』もう少し

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 悪くはないんだけれど長過ぎて、いささか飽きる。

 1997年ころのカナダ、オタワに暮らすインテリ・ミドル
クラスの家庭のほぼ主婦(47歳だったかな? ヒット作では
なさそうな小説を出している、たまに講座も受け持つ)が、
いちおう、ヒロイン。彼女は映画と映画評論家、ポーリン・
ケイルのファンだ。本文中にポーリン・ケイルに宛てた(投函
されることも、作品として出版されることもなさそうな)手紙が、
字体を変えて、意識の流れ風に、ときどき挿入される。
 夫と娘と息子の4人暮らし、夫以外の全員が映画ファンと
いう設定。
 物語の始りのころ10歳だった(かな?)の息子が近所の
中年女性(55歳、独身、ジャーナリスト、映画好き)と
知り合い、家族ぐるみのつき合いが始まる。

 とくに導入部のストーリー捌きがあまり流暢とはいえなくて、
著者も/ヒロインも/ポーリン・ケイルも(? じつは読んでない)
ファンではなさそうなクリント・イーストウッド映画みたように、
冒頭の10分間で、背景と登場人物の配置が最小限、成されて
いればなあと思う。

 登場人物がみんな、本を読んでいる。近所の中年女性、ダイナが
ヒロイン・ハリエットの息子と知り合ったその週に訪ねてみると

<挨拶にたち寄ったら、四人家族[略]がそろって裏のポーチで
 本を読んでいた。ポーチは広くて風通しがよく、[略]
  ハリエットとリュー[注:夫]は、いくつもの夏を経て色
 あせたシャツとショーツを着ていた。彼らの膝にある本は
 図書館の本だった。
 [略]
 終身雇用されることのない大学教授たちのように見える。
 ダイナはすぐさま、無条件にこの家族を好きになった。>
(p45-46『ダイナ』)
 
 ダイナと彼らの息子、ケニーとのなれそめ(?)は、新顔の少年が
他の子どもたち__通りを歩きながらサッカーボールを回し合う__
を縁石にしゃがみこんで眺めているので、ダイナが彼らに紹介して
あげようかと声をかけたときに始まる。

 彼はサッカーをプレイするのは好きじゃなくて、
<「ぼく、スポーツライターになるんだ」>という。
 それなら、お酒の飲み方とトランプもできなくちゃと、大人のダイナが
からかうと、ジンラミーができるよ、と答える。フレッド・アステアと
ジーン・ケリーとフランク・シナトラの話になってゆく。1997年ころの
10歳が、すらすらと話についてくる。

<「どうしてフランク・シナトラなんか知ってるの?」
  「家族で彼の映画を観るから。家族で彼の音楽を聴くから」>
(p43-45『ダイナ』)

 しかし、このケニーとダイナが知り合う場面で、一カ所、状況が
理解できない。

 7月の夕方、親子連れが通りを歩いている。
<ダイナは家の横手を回って表の花壇まで行き、[略]人々を眺めた。>
 そのとき、縁石にしゃがみこむケニーを見て、声をかけようとするが、

< ダイナは、痛くないようにフォームラバーの上に膝をついた。両手で
 あおいでミントの香りをかぐ。>
 そしてケニーとの距離が数十センチのところまで進んだときに声を
かける(p42-43『ダイナ』)のだが、この"フォームラバー"は何を示す
のだろう? 庭の花壇にフォームラバーを置いていたら日光や雨で劣化
すると思うけれど、わたしの知っているフォームラバーとは違う何か、
なのだろうか? この一行に引っかかる。


     (エリザベス・ヘイ/柴田京子 訳『ガルボ、笑う』
     文春文庫 2004初 J)

7月8日に続く~

 明日はいよいよEP-4ライヴ



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by byogakudo | 2017-07-07 16:36 | 読書ノート | Comments(0)


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