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猫額洞の日々

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2017年 07月 19日

(2)フエンテス/木村榮一 訳『フエンテス短篇集 アウラ・純な魂』もう少し

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~7月18日より続く

 最後の『アウラ』を残すところまで来たが、再読しようか
どうか迷う。(ひと息つこうと、昨夜は『パノラマニア十蘭』
を手にした。)

 『ヴェニスに死す』を思い出すフエンテス『最後の恋』は、富豪
の老人のモノローグで綴られる。彼はお金で若い女性を一夏、買った
のだが、彼女は買われながらも、あっさり彼を裏切っている。

<どれもこれも同じなのに、ひとつひとつが異なっている、一見した
 ところ実体がないように思える波が、高くうねっては崩れ、死んでは
 ふたたび蘇るという運動をたえず繰り返していた。それは時間の外に
 存在するどれも同じ形をした波、自身を映す鏡、始源の波、失われた
 千年王国、来るべき千年王国を映しだす鏡にほかならなかった。
 [略]
 何を選びとればいいのだ。自分の意志ではどうにもならない必然が
 集まって偶然が生まれてくるが、その偶然をどうやって避ければいい
 のだ。>(p72)

 最後の段落は冒頭と同じく、浴室である。メディシン・キャビネットに
入っている品々が列記される。老いた彼と若い愛人が毎日を過ごすのに、
全部で25種類の雑多な品物が要る。
 たった一夏の関係であっても、日々の生活はあきれるほどの細部に
支えられて在る、という客観描写で念を押した後、

<鏡の向こうで顔をしかめているのはまぎれもなく自分だった。>
(p80)と、物語はリアリスムに徹して(無慈悲に)終る。


     (フエンテス/木村榮一 訳『フエンテス短篇集 アウラ・純な魂』
     岩波文庫 2001年第2刷 J)




呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/呪 吐爛腐/

<尊敬する祖父がこういう人物であったことを安倍首相は
 どう考えているんだろう? 「戦犯(容疑者)だった岸氏は
 50年代半ば、大使館のわれわれによって傘下に収まった。
 その後(自民)党総裁になり、信頼に足る忠実な協力者と
 なった」(かつて極東担当の国務次官補だったグラハム・
 パーソンズ氏)>
(4:09 - 2017年7月17日)

 「共謀罪」法施行 警察監視の独立機関が必要 法律家ら提言

 共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る
「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」


 【票を入れるな危険】日本会議所属の都議候補一覧

 小池百合子氏 日本会議“本流”から外れた愛国者

 「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動

 上記のPDF





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by byogakudo | 2017-07-19 20:41 | 読書ノート | Comments(0)


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