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猫額洞の日々

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2017年 08月 06日

ダグラス・アダムス/安原和見 訳『さようなら、いままで魚をありがとう』読了

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 おどろいた、恋愛小説だった! 
 いちおうの主人公格、アーサー・デントがやっと、壊される前の
地球に戻れた、と思った途端、恋に陥る。
 それからは恋愛小説のパターンに、ほぼ忠実に展開する。ほぼ
いうのは、恋愛描写の合間合間に、どこかの宇宙船にいるフォード・
プリーフェクトの話や脇筋が入るから。

 恋人同士になるまでの、さまざまな可憐な障害__彼女が教えて
くれた電話番号を当たりくじの裏に書いてしまい、賞品と引き換えた
ことに後で気づくとか__を越えて、ついに結ばれたふたり(書いて
みるに、はずかしいフレーズ)アーサーとフェンチャーチ(姓じゃ
なくて名前!)は、満身創痍のロボット、マーヴィンの最期を看取る、
という感動のエンディングである。
 あんまり感動ものなので作者も照れるのか、本筋と何の関係もない
エピローグが加わる。

 アーサーとフェンチャーチがロサンゼルスに行くエピソードがある。
宇宙規模の時間と空間を旅してきたアーサーも、ずっと地球のイギリス
で過ごしてきたフェンチャーチも、アメリカ大陸を訪れるのは初めてだ。
 このときの、かそけき小咄が好き。

<サンタモニカに向かい、ふたりとも初めて太平洋を見た。
 [略]
  フェンチャーチが言った。「人から聞いた話なんだけど、この
 海岸でお婆さんふたりが話してるのを小耳にはさんだんですって。
 そのお婆さんたちは、いまのわたしたちと同じことをしてたの、
 つまり生まれて初めて太平洋を見てたわけ。長いこと黙って見てた
 らしいんだけど、しばらくしていっぽうのお婆さんがね、『なんだか
 ねえ、もっと大きいもんかと思ってたわ』って言ったんだって」>
(p209)

 あと1冊しか残っていない...。


     (ダグラス・アダムス/安原和見 訳
     『さようなら、いままで魚をありがとう』
     河出文庫 2006初 J)




 8秒間お辞儀したから、もう許すの?! なんてチョロッカな日本人。
騙されてるのが好きなのだろう。騙すより騙される方が後生がいい
とか思っちゃう性善説が、わたしは嫌い。

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by byogakudo | 2017-08-06 17:20 | 読書ノート | Comments(0)


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