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猫額洞の日々

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2017年 08月 16日

(2)H・R・ウェイクフィールド/鈴木克昌 他訳『ゴースト・ハント』1/3

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~8月15日(1 b)より続く

 ミステリには"本格推理"とか"変格派"とかいう定義がある
けれど、これは日本だけの話かしら? 英米ミステリ界では
区別されているのだろうか? 

 怪談に"本格派"・"変格派"があるだろうかと、ふっと思う。
もしあるとしたら、H・R・ウェイクフィールドは"本格派"だろう。
どの短篇にも、お化け/幽霊が堂々と出てくる。ヘンリー・ジェイ
ムズみたような朦朧たる雰囲気、気配の描写ではなく、エリザベス・
ボウエン『猫は跳ぶ』
シャーロット・パーキンズ・ギルマン『黄色い
壁紙』
のようなサイコ・ホラーではない。古風に断固として怪談だ。

 ちょっと寄道する。上記『黄色い壁紙』のブログに、1977年の長雨
の話を書いていた。ずっと、1970年代半ばの長梅雨と記憶していたが、
今夏の長雨のTVニュースのおかげで、梅雨ではなく、1977年・8月の
ことだと分った。
 国分寺の6畳間に住んでいて、畳がじっとり湿っていた。

 『湿ったシーツ』という短篇も含まれているが、『"彼の者、詩人
(うたびと)なれば......"』(倉阪鬼一郎 訳)は、在英の日本人詩人の
出てくる怪談だ。

 詩集の刊行でキャリアのある出版社に、日本人・カトウ氏が原稿
を持ってくる。最初は自費出版扱いだが、原稿を読んでみた社長は、
すばらしい作品だと認める。詩集だってベストセラーになる事例を
思い出し、条件をよくして、費用を折半することに決める。

 イギリスなら詩集の出版だけで経営できるのかしら、と思っていたら、
<ヴェラ・ド・ヴィア嬢の『熱烈な欲望』はまさに猛烈に売れていた。>
(p163)とあるので、ポルノグラフィックな本で基盤を安定させて詩集を
出し続けているようだ。

 ところで、そのカトウ氏は、J・カトウというらしい。これは日本人の
名前としてありがちだが、もうひとり出てくる「F・ゴネサラ」という
日本人名は、どんな漢字を当てればいいだろう?

 ある日バスに乗っていて、運転手のネームプレートに「生天目」と
書いてあった。そのときは読めなかったが、青梅街道辺りの電柱に
「なまため眼科」とあるのを見て、これだと思ったことがあるが、
「ゴネサラ」は思いつかない。


     (H・R・ウェイクフィールド/鈴木克昌 他訳『ゴースト・ハント』
     創元推理文庫 2012再 帯 J) 


[同日追記:
 読みにくい名前ということで、たしか都筑道夫『東京夢幻図絵』の
中に、「御世梅」という姓の読み方を特定しようとする箇所があった、
と思うが、本がいま手元にない。]

8月18日に続く~




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by byogakudo | 2017-08-16 21:14 | 読書ノート | Comments(0)


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