猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2006年 01月 29日

「続々・推理文壇戦後史」読了

e0030187_13243690.jpg








 三部作、終わる。近年 第四部が出ているが、そこまではお師匠さんも
お持ちではないようだった。

 好きな小説家が出てくるので、やっぱり第一部がいちばん面白い。
 第三部は、ミステリー作家たちの集う各クラブの話が多い。乱歩を囲む私的な
組織だった日本探偵作家クラブを、社団法人化して日本推理作家協会にするときの
準備で、当時の文部省に書類を出す話がある。
 必要書類の一つ、「身分証明書」の説明が、
   <身分証明書といっても、ふつう会社や団体などで発行するような、
   写真を張りつけたカード式の証明書のことではない。区役所で出すもので、
   本人に前科がなく禁治産者でもないことを証明した書類のことだった。>

 これなら身に覚えがある。古物許可証を取るためにも必要で、区役所で順番待ち
しながら、「メルトン先生の犯罪学演習」(ヘンリ・セシル 創元推理文庫 75年15刷)
が浮かんできた。

 ケンブリッジ大学ローマ法教授・メルトン先生や 周囲の人々が奇妙な小咄を
次々に披露する 大好きな小説であるが、先生は授業をやらずに小咄ばかりするので
精神病院に入れられてしまう。やっと逃げ出してホテルの食堂に着いた
メルトン先生は、ホテルのあるじとの会話中に、
   <「この献立が、看板どおりけっこうなものなら、わたしのほうでこれは
   うまいと・・・」
   『保証(サーティファイアブル)』いたしますよ、といいかけたが、
   『サーティファイアブル』ということばには、『精神病院に入院する資格
   ありと保証する』という意味もあるのに気がついて・・・云々>
この件を思い出していた訳である。
 「メルトン先生」ではこの先、ホテルのあるじが月が明るいのでテニスをしようと
言い出したり、登場人物みんな、少し変で素敵だ。

よろしくお願いします。
本・読書ランキング[人気blogランキング]へ
[PR]

by byogakudo | 2006-01-29 13:24 | 読書ノート | Comments(0)


<< 宇治晶展の延長      光の春 >>