2006年 02月 01日

「南海の金鈴」読了

 チャオタイが死んでしまった。剣に生き、剣に倒れてしまった。しかもディー判事の
愛剣「雨龍」によって。

 と書いてもヒューリック・ファンでなければ何のことか解らない。
 唐代の中国の架空の街を舞台に、ディー判事(こちらは実在した)が三人の部下を
従え、難事件を解決する ディー判事シリーズである。役人であるから、あちこち
舞台は移動する。
 こう言うと、「なんだ、『水戸黄門』じゃん!」と一蹴されそうだが、違う。
パターンが似ているからって同一視されては困る。TVの「水戸黄門」を見たことが
ないけれど、ディー判事ものは ちゃんと推理している。ミステリーとしての出来は
ともかく、探偵小説ですと、力説しておく。

 もう一人の部下・マーロンは結婚して落ち着き、この巻には もう登場しない。女の
趣味のよいチャオタイは いつも恰好いい悪女を熱愛しては失恋の憂目に遭うのだが、
最終巻でも変らない。愛した女は裏切り者である。

 チャオタイの悲劇的な死で巻を終わらせるのが忍びなかったのだろう、錠前開けの
名人にして女嫌いの吝嗇漢・タオガンにやっと ふさわしい再婚相手が見つかるという
エンディングが設けられているが、最終回の寂しさは拭えない。
 おちゃっぴいな双児の姉妹がトリックスター的に出没して、場面を明るくしては
くれるのだが、光量不足であるし。

 未訳のヒューリックが続々登場してくれることを願う。このままシリーズが終わる
のでは、あんまりである。
                        (ヒューリック HPB 06初)

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by byogakudo | 2006-02-01 18:01 | 読書ノート | Comments(0)


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