2006年 02月 02日

「フレンチ警部の多忙な休暇」

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 懲りずにクロフツである(創元推理文庫 77初)。昨夜から読み出したが、
半分強を占める第1部は、殺人者と目されるであろう青年の側からの話、
2部が、捜査するフレンチ警部の立場から見た出来事の経緯 という構成である。
 
 ところで事件の起きるまでが 予想していた通り、長い。第1部の半分が
殺人事件の発生した「近海巡航株式会社」設立までの話に充てられている。
 会社ができるまでの物語が 読者の気持なぞ知らぬ気に、悠然と語られる。
読んでいて、プロテスタンティズムという言葉と同時に、
「ロビンソン・クルーソー」を思い出した。実務も物語の重要な細部である?

 今夜はたぶんクロフツ警部が、もう少し話のスピードを上げてくれるのではないかと
期待しているのだが。

 退屈な話が嫌いではないので(スピーディーでとっとと話が進む近頃の小説では
却って飽きるので)、むかしの探偵小説を専ら愛読している。時代錯誤でいいのさ。

 昨日のヒューリックの話に追加。ヒューリックの一番の魅力は、「南海の金鈴」は
例外的に広州が舞台になっているが、他の作品ではいつも、架空の街を創り出して、
街並も建物もきちんと配置した上で、ディー判事や街の人々を活動させている点だ。
 オリエンタリズム批判めいた批評があるかも知れないが、そんなものではない。
誰も知らない、どこにも存在しない街を創り出すベースになったのが、唐代の中国で
あっただけである。

お手数ですが、よろしく。
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by byogakudo | 2006-02-02 17:45 | 読書ノート | Comments(0)


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