2006年 02月 14日

「下駄で歩いた巴里」読了

(林芙美子 岩波文庫 03初)、やっと終わる。正義感の強いひと、実行力に富むひと、
いつも焦燥感に駆られているひと、という感想。

 書き終えると、書いている最中にも旅心が湧き、いざ旅に出れば 早く帰って
書かなくちゃと思うひとである。定着するのが苦手なのだろう。30年代の日本で
若い女のひとり旅は奇異の目で見られただろうが、夫とは年を取ってからでも
一緒に出掛けられる、今はそれぞれに合った動きをしていたいと、留守番の家人の
生活費と自分の旅費だけ工面して、ひとり旅立つ。元気なひとだ。
 ただし、更に小説を読んでみたいという欲望 起らず。

 昨夜から「大道商人の死」(ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク
創元推理文庫 87初)。お師匠さんによれば「大岡昇平ご推薦のオランダの作家」
らしいが、登場人物が、みなさん 魅力がある。70年代、世界中の都市でデモや
暴動が頻発していた頃の、アムステルダムでの殺人事件と それを捜査する警察官
たちの物語だ。

 猫好きの独身の巡査部長、倦怠期の家庭生活に悩む警部補、あらゆる事柄に
公平な眼差しを注ぐ警視。性同一性障害で警察を辞めた元警官(現在は生活保護を
受けてハウスボートで暮す老いた女装者)まで出てくる。
 いかにも新教徒の国らしいリベラリズムが感じられるキャラクター設定だ。


PS; HP目録02にディクスン・カー文庫本を少し追加しました。

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by byogakudo | 2006-02-14 17:43 | 読書ノート | Comments(0)


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