猫額洞の日々

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2006年 03月 12日

「文壇」読了

 「読み難い文体だけど面白いよ」と勧められた本だが、そんなに困るほどではない。
お酒の酔いが深まるにつれ、同じテーマを何度となく繰返すように、うねりながら時々
いきなり違う記憶が立ち現れたりしつつ、物語られて行く戦後文壇史である。

 時にはお手洗いでメモも取ったとあるが、大抵は 記憶をなくすくらい酔っぱらって
いた様子なのに、細胞に刻み付けられた とでも言うしかない観察記録だ。

 しかし、うねり渦巻く文体から引用するのは難しい。野坂昭如がようやく
直木賞を取ったとき、前から褒めてくれていた三島由紀夫に電話したら 三島は不在、
三島夫人が
 「うちは芥川賞(注:選考委員の意)の方ですけど」と答える場面のおかしさは、
そのずっと前 三島邸のパーティーシーンでの三島夫人の様子から引き続いているので、
ここだけ単独に取出しても あまり面白みは伝わらない。
 やっぱり、そういう女であったかという感想である。  (野坂昭如 文春文庫 05初)

 新着本に「わが懐旧的探偵作家論」(山村正夫 幻影城 76初函帯)を追加しました。

新着本

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by byogakudo | 2006-03-12 19:15 | 読書ノート | Comments(0)


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