猫額洞の日々

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2006年 03月 16日

「女は帯も謎もとく」

 <空気はかすかに甘くなってきた。あたしのアパートの玄関の壺にいけた
 アネモネが深い青に、真紅に、ほころびはじめてんの。とってもきれいよ。

  花瓣を上向けているアネモオヌの深い皿。咲いていることにもう倦きている
 ような、物憂い薔薇色、黄色、ミルクを含んだ橙、濃紅。    _森茉莉

  あたし、じつを言うと、森茉莉さんのこの文章が好きで、それでアネモネが
 大好きになったようなものなの。あたしだって、いつもいつも清元や小唄
 じゃなく、それから外国ミステリーばかりじゃなく、ちゃんとこういう本も
 読むのよ。> (第三話 ダイイング・メッセージ 握りしめたオレンジの謎 より)

 こういう70年代の若い新橋藝者を主人公にした 可憐な連作ミステリ集である。
小泉喜美子がクレイグ・ライス・タッチで、彼女の好きなミステリや歌舞伎や街に
対する意見を、箇所箇所で述べている。

 <・・・さっぱりシマらないミステリーになるかもしれませんけれど、
 その辺のところは御容赦を。だって、あたし、深刻ぶるミステリーって
 大っきらいなんですもの・・・。> (第一話 ユーモア・ミステリー さらば
 愛しきゲイシャよ より)

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by byogakudo | 2006-03-16 18:22 | 読書ノート | Comments(0)


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