2006年 04月 01日
3冊再読したが、第一作「ファントマ」だけが飛び抜けて素晴らしく、あとは 何冊読もうと訳そうと、同工異曲の冒険活劇が続くばかりであろう。 早川文庫のシリーズが3冊で終わったのも仕方ないか。 第一作が優れているのは、ファントマ自身を直接描くことなく、ファントマの 実在を信じるジューヴ警部とジェローム・ファンドールの視点から書かれているので、 人々の悪夢が実体化したような朧な存在が、却ってリアルに読者の想像力をする。 だが、この視点のまま連載小説を書く訳には行かなくて、結局アルセーヌ・ リュパン風にならざるを得ない。もし「ファントマ」のみが出版されていたら、 スーヴェストル/アランは流行作家ではなく、幻の(呪われた)カルト幻想小説家扱いになっていたかも知れないが。 「ファントマ」(スーヴェストル/アラン 佐々木善郎訳 ハヤカワ文庫 76初 J欠) 「ファントマ対ジューヴ警部」( 同上 ) 「ファントマの逆襲」(スーヴェストル/アラン 伊東守男訳 ハヤカワ文庫 78初 J欠) 昨夜から「久保田万太郎」(戸板康二 文春文庫 83初)を読み始める。実は万太郎の 「・・・・・」多用と、泉鏡花の体言止め及び、あれは何というのですか、動作の 途中で止める語法_文末が副詞で終わったりするような、あの文体にどうにも 入れなくて 殆ど読んでいない、わたしは野蛮人・・・・・。 新着本
by byogakudo
| 2006-04-01 15:26
| 読書ノート
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