2005年 07月 28日
鈴木創士氏の許可を得たので、引用する。
「夏、夏」
白い砂
目を眩ませるような
そしてまだ私は生きている
蒼白い木
あえぎに満ちて
そしてまだ私は生きている
刈り取られた草
広げられた腕
風、風、風、風
暖められた柘植の木
麝香の香りのする風
夏、夏、夏、夏
(・・・)
私は忘れてしまった
くたばった猫たちを
その猫たちはさらにもっと早く忘れてしまう
鉄柵のそばで
木がパチパチ音を立てる
そして私たち、私たちはずっと生きている
ずっと生きている
ずっと生きている
ずっと生きている
(「中島らも烈伝」河出書房新社より)
by byogakudo
| 2005-07-28 18:49
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