2006年 05月 14日
「幻の探偵雑誌7 『新趣味』傑作選」では、葛山二郎「噂と真相」と蜘蛛手緑 (くもて・みどり)「国貞画夫婦刷鷺娘」が、まあ好きだ。どちらも癖のある文体だが、 翻訳調・下手くそかと 初めは思ったけれど、それなりの効果を上げていた。 国枝史郎「砂漠の古都」が未読で残っている。むかし「神州纐纈城」に懲りたことが あるので、たぶん、これはパス。 (ミステリー文学資料館編 光文社文庫 01初) 「翻訳家という楽天家たち」。05年段階で品切れ・絶版状態なのに、まず驚く。 「ピーターとペーターの狭間で」だって面白かったのに、相変わらず品切れが続いて いる。なぜだろう? 87年、荻窪にあった(白人)ビートニク経営の古本屋「りちゃあどぶっ くす」の話 (平仮名の店名が苦しいが、「リチャアドブックス」も辛い。難しいところだ)。 椅子とテーブルが設置されていて、今のカフェ兼古本屋の先駆けみたい。 大長編小説のグループ・リーディング!の話__「重力の虹」を80人の学生が 40時間かけてマラソン・リーディングする。__とか、「イーディ、愛してる!」と 叫ぶだけの本ではない。 (青山南 ちくま文庫 98初) 「とうろく らぷそでぃ」。とってもダメな奴の書いたダメな本の印象。 「フェミニスト」を女性賛美主義者と解していた頃の人だから、無理もない部分も あるけれど、清純派の女性が好き、そこまではいい。そこからの自己分析ができず、 支離滅裂な展開をしている。自分が政治力を行使できるから、何も知らない清純派が 好きなのだと、どうして解らないのかしら? 頭の悪い男は犯罪的だ。 牧師の息子の所為ばかりではあるまいが、お洒落なセンスが つゆ感じられない、 艶笑?エッセイ+告白による自己弁明、にしか読めなかった。 「全部、正直に書いたから、これは真実の話である。」? 馬鹿言っちゃいけない。 言葉でどこまで精確さを極められるかが、問題であるのに、皮相な分析で自分を納得 させられる人に、真実だなんて言ってもらいたくないものだ。 (高木東六 中公文庫 82初)
by byogakudo
| 2006-05-14 17:21
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