猫額洞の日々

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2006年 07月 18日

「江戸団扇」途中

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 今でもそうなのだろうが、ジャーナリストはなぜ、こんなに多方面に知識がある
のだろう?と思いながら、大庭柯公「江戸団扇」(中公文庫 88初)を読んでいる。

 p77 翻訳 の項から少し引くと、
 <翻訳ということも広い意味で云うと文字の翻訳から、意義の翻案までを含んで
よかろう。>とあり、レストラン・メニューの翻訳例として、
 <スープが「濃羹(のうこう)」に「淡羹(たんこう)」、アイスクリームが
「乳酪(にゅうらく)冷菓」>。

 あるいはトルストイ「戦争と平和」の初訳は明治19年、岡山県人・森 体という
人物の手による。ただしタイトルは「泣花怨柳北欧血戦余塵」、忠愛社より、
絵入り本として刊行さる とか。トルストイではなく、トウストイ表記であるので、
大庭柯公はロシア語からの翻訳と推理している。
 <講談界でさえ、モーパッサンから翻案して、「名人長次」を得ている。>とは、
モーパッサンのどの短篇だろう?

 p19 お伽噺 の冒頭、
< 丁抹(デンマーク)といえば・・・(中略)・・・丁抹は小児のためのパレスチナ
である。>現在ならば「パレスチナ」ではなく「イェルサレム」であろうが、元本
「其日の話」(春陽堂)が出版された大正7年には、イスラエルなぞ存在しなかった。
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by byogakudo | 2006-07-18 12:37 | 読書ノート | Comments(0)


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