2006年 07月 23日
「江戸団扇」でひとつ困ったことは、わたしは漢文が読めない!のに、 度々 漢文・漢詩が引用されている。読み飛ばしてもいいのだが、せっかく ゆっくり読んでいるのに飛ばすのは興ざめである。律儀につき合っていたら 思いのほか時間がかかった。 p110から: < それにしても大正のカフェーに江戸時代の人物を仮想的に配すると、かなりに 興味のある想像が描かれる。梁川星巌(やながわ せいがん)が玉池吟社の一両人と 同道して、メーゾン・鴻の巣へ出かけて来たと想像したまえ、そこへ山東京伝が、 名代の大きな鼻をうごめかして隣のテーブルを占めている。星巌を今の青崖翁と するならば、京伝はさしずめ有美先生と云うところである。俳諧は下手じゃ下手じゃの 其角が来る、どうやら鳴雪翁の臭いがする。荻生徂徠が茅場町の停留場から電車で やって来て、和田垣先生と東夷論やらコスモポリタン説を闘わせる。もし歳月を 超越して古人を今に見る由もあるならば、メーゾン・鴻の巣はおそらくこの手合の 好気焔場であろう。> (4行目の「青崖」のガイは嘘字です、冠のない字を思い浮かべて下さい。) そこで、メーゾン・鴻の巣は、「銀座細見」等で鍛えてあるので想像できる。 ところが江戸関係に至っては、はなはだ怪しく、この想像図の面白さが上手く 頭の中で映像化されない。教養がないって、哀しいことさ。 (大庭柯公 中公文庫 88初) 拾い読みで終えるつもりの「言語文化のフロンティア」をまだ読み続けている。 そろそろ何か探しておかなければ。
by byogakudo
| 2006-07-23 14:06
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