猫額洞の日々

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2006年 10月 08日

「押入れのちよ」読了

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 さてこれで第2回配本はぜんぶ読んだ。お師匠さんにお電話しよう。

 最後に読んだ「押入れのちよ」は怪談短編集。うまいとは思う。贅沢を
いえば、近頃の怪談はあんまりじっくり怖がらせてくれない。コミカルな
怪談はそれはそれで愉しいが、シリアスに物語る箇所箇所に自己言及的なと
言おうか、本気な自分自身をからかうようなフレーズが挟まるのが、どうも
怪談を読む悦びをそらす。ブログ文体みたい。

 一所懸命になり過ぎてる人を目にすると、からかいたくなるのは健全な反応
だが、「ブログ文体」で気になるのは、他人から指摘される前に自分で先に
言い出して、笑われるのを防ぐ過剰な用心深さを感じることだ。
 当節の軽やかさ志向がわからなくもないが、どシリアスが好きな訳もないが、
軽さ追求の姿勢が強すぎると反って生臭くならないだろうか? 野蛮な時代に
人格形成されたので、そう感じるのかもしれないが。

 表題作と書き下ろしの「コール」がよかった。   (荻原浩 新潮社 06初帯)
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by byogakudo | 2006-10-08 14:28 | 読書ノート | Comments(2)
Commented by タウム at 2006-10-12 23:40 x
TBさせていただきました。
単純に楽しめるエンターテイメントで、少し驚きです。
感動系だと思っていたので・・何となく。
Commented by byogakudo at 2006-10-13 19:52
タウム様、TBとコメントありがとうございます。(いまだにTBが理解できてないのですが・・・。)
ミステリ以外にも目配りのきくお師匠さんによれば、「この人、
そのうち直木賞をとるんじゃない?」ということでした。


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