2006年 11月 04日
(写真はクリックすると拡大します。昨日の写真もアップしました。) 名前だけ知っているミステリ作家(ああ、「作家」って使っちゃった! 「小説家」で通したかったのに。)のひとり、シリル・ヘアーを初めて読む。 引退した弁護士と警部の会話をp75より引用: < 「趣味? どんな趣味ですか? 養蜂やバラの栽培?」 「いいえ、そんなたいそうなものではありません。養蜂はシャーロック・ ホームズに任せますよ。バラの栽培は__それはカッフ巡査部長でしたよね?」 「推理小説の古典に詳しいんですね」 「古典だけじゃありませんよ、ミスター・ペティグルー。推理小説なら なんでもこいです。・・・(以下略)> ふたりは旧友同士で、久しぶりに出会い、複雑な親族関係間に起きた 殺人事件を解決する。 P185でミスター・ペティグルー(元弁護士)がミスター・マレット (元警部)にヒントを与えるときの会話: < 「私は今、気が大きくなっているので」ペティグルーが言う。「あなたの ためにその質問にお答えしましょう。というより、どこで答えが見つかるか お教えします。あなたの書斎ですよ。『シャーロック・ホームズの冒険』__ いや、『シャーロック・ホームズの回想』だったかな?・・・(以下略)> 少年期にも似たような事件に出くわした老弁護士が、こどもの頃を回想する 場面など、しみじみと地味なトーンで、いかにも英国探偵小説らしく好もしい。 (シリル・ヘアー 論創社 05初帯) さて、今週の新着欄はグラフィカル。「現代商業美術全集 17 文字の配列と 文案集」は図版が少ないと言われるかも知れないが、文案集(コピー)が 面白い。30年の出版なので、戦争モードなコピーが目についたり(<貯金は 誰にも出来る御奉公>とか<緊(し)めた生計(くらし)に伸び行く日本>等)、 英文対訳惹句集粋を見れば、<Beauty to have and to hold.=美人になるにも、 なつてからも。>だったり、愉しめます。 新着本
by byogakudo
| 2006-11-04 15:15
| 読書ノート
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