2006年 11月 27日
まさか古本屋になる未来が待っているとは思いだにしなかったあの頃、 文庫本がたまると、近所の国分寺書店に運んでいった。本棚2個に入る分しか 本は持たないと決めていたのだ。 静かで清潔な店内。渋いラインナップのお店に、カヴァをはがした SFや探偵小説の文庫本をもちこんでくる。 「あの、お金はいらないんですが、引き取ってもらえませんか?」 (ジロリ、キラリと眼鏡の縁が光る)「はい」。 いつもこれ。行く度に「あたし、何か悪いことしたかなあ?」と疑問に 思いつつ、他に近い古本屋を知らなかったので運んでいった。 今なら悪いことしてると解る。古本屋がどんなにせっせと本を処分するものか、 カヴァのない文庫本は均一台でも遠慮したい代物であると、理解できる。でもねえ、 当時はなんにも知らなかった。無知をいいことに、ひどいことをしていたと ようやく解るようになったのです。 国分寺書店のお刀自さま、ご存命かどうか、今更ですが、あの時の失礼を お許しください。いまや悔い改めて?、にこやかに 「あっ、申訳ありません、カヴァがない文庫本はちょっとお引取り できませんので」とやってのけております。いけずうずうしいったら。 お刀自さまがもう少しやさしく仰っていて下さったらなあと思わぬでも ありませんが、でも、へらへらしたキャラはお刀自さまには不似合いですものね。 ひたすら、わたしが悪かったのです。お許しあれ。
by byogakudo
| 2006-11-27 15:36
| 雑録
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