2007年 02月 06日

「証拠は語る」半分ほど

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 (写真は必ずクリックして下さい。でないと、電線の枠に囲まれた青空内の
白い引っ掻き傷のような飛行機雲がわかりません。)

 いつもの調子のマイケル・イネス。つまりアプルビイ警部は事件関係者たちと
果てしなくおしゃべりを繰返す。今回の殺人事件は地方都市の大学で起きたので、
教授たちのさまざまに衒学的な推論・討論がわき起こり、その度に少しずつ警部の
推理も進行するという、マイケル・イネス・パターンである。
 (他の書き方を試みたいと思ったことはないのかな?)

 訳者あとがきに
< 描写やセリフにイネスならではのペダンティックな味付けが施されてはいるが、
 むしろ肩肘張らず面白がって読むことをおすすめしたい。便宜上、多くの訳注を
 つけてはいるが、それも適当に読み飛ばし、無意味な描写も寛容に受け入れ
 ながら
、気楽に味わっていただけたらと思う。>(p369)
とあるけれど、全くその通り。なお、原文にボールド表示はありません。

 ところで我が最愛の建築様式のひとつが半地下の室内だが、p98に
こんな説明がある。
< 屋敷は後期ジョージア朝様式を取り入れたもので、地面を掘り下げて建築
 されていた__使用人を地下に住まわせて象徴的な従属性を与えるという、
 ただそれだけの用途で加えられた費用のかさむ工法である。>
 ほんとにこれが半地下の歴史なのかしら?

 他のアプルビイ警部ものでは感じなかったけれど、今回やたらと警部が階級を
意識しているのは、原作が出されたのが第2次大戦中(43年)であることと
関係しているのだろうか。
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by byogakudo | 2007-02-06 14:14 | 読書ノート | Comments(0)


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