猫額洞の日々

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2007年 03月 15日

初挑戦

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 (写真はクリックすると拡大します。)

 弊店の均一台ベストセラー作家といえば、西村京太郎である。いまだに
ぽつりぽつりと売れているが、未読です。

 読むものがないし、1冊だけ、もしかして読めるんじゃないかと残しておいた
「名探偵が多すぎる」(講談社文庫 89年26刷)を持ち帰った。

 悪くない。名探偵・明智小五郎が世界の名探偵たち(メグレと奥さん、クィーン、
ポアロ)を船旅で行く別府温泉旅行!に招待したら、ルパンから挑戦状が届いた
というパスティーシュです。

 ルパンの件で船長が名探偵たちに会いたがっていると、船の事務長が知らせに
来るが、事務長の台詞とそれに続く地の文章(p42)なぞ、なかなか穿っている。

<「・・・第一私は、アルセーヌ・ルパンが、この世に実在することさえ信じて
 いないんです。ルパンというのは、本当にいるんでしょうか?」
 ・・・
  メグレは、黙って微笑している。事務長が、自分の言葉の矛盾に気付いて
 いないらしいのが、何となく可笑しかったのである。アルセーヌ・ルパンが
 存在しなければ、メグレとエラリーも存在しないのである。だから、メグレ
 たちに向って、ルパンが本当にいるのかと質問することは、矛盾しているのだ。>

 最後の1行が余分だが、それを省かないのが後年のベストセラー作家の親切心
かも知れない。
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by byogakudo | 2007-03-15 13:22 | 読書ノート | Comments(0)


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