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昨夜から読み出して、まだ半分にも行かないが、これはもしかしてコミカルな
メタ・ミステリ?
アパートメント最上階で、大金を銀行に預けずに溜めていると噂されていた
老女が殺される。身寄は仲違いしていた弟の娘しかいないが、老女に負けない
変人の姪は遺産なんか要らないと応える。
なぜか捜査に同行していた小説家・シェリンガムは、姪の美貌と変人ぶりに
一目惚れして、なぜか彼女に秘書の依頼をする。従僕とふたりの、気楽な独身
生活が続けられなくなるのに後で気づいても、もう遅い。彼女はさっさと彼の
事件ノートのタイプを始めちゃってる。
男であり、小説家でもあるロジャー・シェリンガム氏は、悉く分析的な質で、
事件のみならず、彼女に惹かれた自分の心理変化にも詳しい分析の手を差伸べる
のだが、単刀直入式会話術の達人、ステラ・バーネット(姪)嬢とのやり取りは
抱腹絶倒ものである。店で読むには不向きである、いくら閑な店ではあっても。
(アントニイ・バークリー 新樹社 01初帯)