2007年 04月 07日

「守護天使」・「土曜を逃げろ」読了

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 (写真はクリックすると拡大します。)

 感想文の前に大急ぎで訂正です。美咲歌芽句(みさか・めぐ)の第1作
「荒涼天使たちの夜」(思潮社 07年5月1日発売予定)の定価が変ったと
書きましたが、まちがいでした。以前の予定価格と同じ2000円(+消費税)
です。お詫びして訂正いたします。

 さて、このところ何故か読んでいる日本の若手小説家の作品、今回の
「守護天使」(上村佑 宝島社 07初帯)、作者は50歳ということで若手とは
言いがたいが、スタイルの感じられる文章で、そこが良かった。ほっとした。

 いや、だって、日本語の文章力がここまで落ちて、しかもそれが流通して
いるのか、という悲惨な読書体験が続き、かなり絶望していた。
 まったく、書く前に読め、読みすぎて今更書くことなんて何もないと
思い詰めた挙句に書け、と言いたくなるような若手作家が多すぎる。

 上村佑はその点、文体意識が感じられ、読んでいて苦しくならない。
小説の欠点としては、敵役が類型的で記号に過ぎないあたりだろうか。
 「日本ラブストーリー大賞」受賞作は映画化されることになっている
そうだが、映画というより、TVの2時間ミステリー・ドラマ級の敵役設定で、
そこが気になる。
 ヒロインの存在が淡いのは、かまわない。だって彼女は主人公の中年男の
思い込みの対象であり、彼の再生のきっかけとなるだけだから。
 敵役が弱いとドラマの展開も弱くなるから、映画化に際しては気をつけて
もらいたいけれど。

 「土曜を逃げろ」(チャールズ・ウィリアムズ 文春文庫 84初帯)は
トリュフォー「日曜日が待ち遠しい」の原作。感じの良い小品だった。
 町中の人たちが主人公が妻を殺したと信じているのに、秘書だけは彼を
信頼し、知恵をしぼって窮地を救う。彼女の機転の利いた大活躍の最中、
彼は思わずもらす、
<「・・・これが一件落着したら、まず一番先に、僕をきみの養子にして
 もらうよう裁判所に申請するよ」>(p130)

 今週の新着欄です。よろしく。
  新着欄
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by byogakudo | 2007-04-07 14:40 | 読書ノート | Comments(0)


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