2007年 04月 09日

バンコは縁台である

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 (写真はクリックすると拡大します。)

 何のはなしかと言えば、「平賀源内捕物帳」中の「長崎物語」から。
朝日文芸文庫のp166、
< 福介を土間の床几(バンコ)に残して・・・>とある。

 バンコ。こどもの頃の夏を思い出す言葉だ。共用語でいえば縁台だが、
夏になると道路際に出されて、夕涼みの場になる。使わないとき、どこに
仕舞われていたのだろう? 記憶がないが、初めて「源内捕物帳」を
読んだとき、びっくりしたものだ。

 こども心に父の発音する「バンコ」の響きが不思議で、それでも
畳一枚くらいの大きさの低い木の台をバンコと呼び習わしていたが、後年
「縁台」を知って、こちらの方がモノの性質にぴったりしているので、
いつしか「バンコ」を忘れていた。

 そこへ「源内捕物帳」である。久生十蘭のことだから、名詞にあれこれ
カタカナ語のルビがふられている。文脈に合わせた外国語を使う筈なので、
この場合、オランダ語であろう。
 とすると父の「バンコ」も阿蘭陀渡りだったのだろうか? 父方はほぼ
鹿児島、母方が長崎であるから、むしろ母方由来の名称だったとも考えられる。
もう確認のしようもないことだけれど。

 「バンコ」に再見したときは既におとなであったので、「バンコ」の音から
すぐにbenchが浮かんだ。たぶん、まったくの見当はずれでもないだろう。 
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by byogakudo | 2007-04-09 13:57 | 読書ノート | Comments(0)


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