猫額洞の日々

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2007年 05月 03日

「ヴォスパー号の遭難」もう少し

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 (写真はクリックすると拡大します。)

 地道のひと・フレンチ警部、いつものように捲まず撓まず諦めずに
捜査を進めて行くが、それでも時にはメゲそうになることもある。

 p173、部下のカーターと出かけるシーン__
< 翌朝もいい天気だった。・・・二人の気持は無意識のうちに輝く
 太陽の作用を受けてはればれとした。きのうはあまり実りのない一日
 だったが、手初めの仕事で成功は望むべきではないのだろう。きのうは
 たしかに捜査をはじめたときから一歩も出ていないように思われた。
 だが、まじめにいい仕事をしたこともたしかだった、とフレンチは思い
 返した。彼はよく部下たちにいい仕事はむだにならないといったものだ
 が、ほんとにそうだろうか、と彼は思った。そうであってほしい。
  「はいったことあるかい?」考えごとの種を変えようとして、彼は
 ロンドン塔の大建築のほうへあごをしゃくった。
  カーターはハリスン・エインズワースの本を読んで育ったらしく、
 塔のことはよく知っていた。彼の話がおもしろかったので、子供のとき
 から一度もその本を読んだことがなかったフレンチは、こんどは
 エインズワースを読んでからロンドン塔に来てみようとぼんやり
 考え込んでいたのだった。>

 ハリスン・エインズワースってどんな作家? 児童図書だろうか。
 だが、こんな風に大人らしく着実に、引いた視線を保って仕事が続け
られたら、と思う。小心者のせっかちでは、いまさら無理なのだけれど。
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by byogakudo | 2007-05-03 16:11 | 読書ノート | Comments(0)


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