2007年 05月 07日

敵をまちがえないで

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 (写真はクリックすると拡大します。)

 憲法記念日の東京新聞で、半藤一利と田口ランディとが対談していた。
その中で田口ランディが9条改憲派について、
 「軍備をもつと莫大なお金がかかることを、黙っている」と指摘した
箇所がある。

 いわゆる護憲派を、理想論に過ぎて現実のテロの危険性を無視している
と改憲派は非難するが、戦前の日本の軍事に使われた金額を思い出せば、
どちらがリアリストであろうか。

 軍事力をいま以上にもつということは、たとえばフリーターのための
職業訓練や、こどもをもつ働く母親たちの支援にまわすお金なぞを削る
ことになると見てよい。いま以上に福祉関連に使われるべきお金が
なくなることである。

 護憲派の9条改正反対のありようが、正義派ぶってて、うざくて、
お説教がましくて、うんざりだという、世の中から報われてない・
見捨てられてると感じる人々のルサンチマンについても、田口
ランディは、その気持はわかると述べる。
 いわゆるネット右翼と呼ばれる若いひとびとは、会ってみれば
おとなしくて、一所懸命ものを考える人々であったそうだ。

 世の中から見捨てられていると感じるひとびとの鬱屈した思いが、
エラそうに「憲法第9条を守りましょう!」と唱える正義の味方ヅラに
攻撃的になるプロセスは、なるほど解らないでもない。
 でも、敵をまちがえていやしないか。

 つい先頃まで一億総中流幻想をばらまいていた社会が、今では他人を
蹴落とさなくては自分を守ることはできないと思わざるをえない、貧乏人
同士を争わせる世の中に変貌している。失業保険支給額と生活保護支給額
とで、どちらが得してるかなぞと、たがいに噛合いをさせる。

 怒るべき対象は、貧しい政策しか取れない現政府ではないか。
 イラク首相から、もう自衛隊はいりません、年内に帰ってくれと言われ
ているのに、2年延長法案を出そうとしている政府、自民党・公明党。
滞在延長に使われるお金は税金だ。所得税を払っていなくても消費税は
みんな払っている。

 アメリカの後ろについて、イラクの植民地化を図っていると批判されたら
どう答えるのだろう。そんなつもりじゃない、イラクの民主化を願っての
ことだと言うのか。第2次大戦時にも、植民地化意識をもつことなく、アジア
を欧米列国の植民地化の手から逃れさせるための、日本による植民地化を
実行していた過去を思い出してもバチは当るまい。自己欺瞞は最終的に
本人を破滅させる。

 軽武装で経済活動に邁進していた財界も、路線変更だそうで、武器輸出を
やりたいらしい。アメリカの三下奴からもうちょいアップして、国際社会で
大きな顔したいという外務省(いまでも外務省ですか?)。自暴自棄で犯罪に
走る連中は厳罰に処すればいいと考える法務省(まだ法務省ですか?)。若い
収監者がふえた方が刑務所での作業人員確保のためになると思ってのことか。
いまや刑務所は福祉の最後の砦化していて、精神病院なり老人ホームなりに
入るべきひとびとが収監されているそうだ。

 敵は彼らではないか。感情と論理はきっちり分けて考えようと、ガラにも
なく提案したい。
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by byogakudo | 2007-05-07 13:18 | 雑録 | Comments(0)


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