猫額洞の日々

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2007年 05月 14日

記憶の匣

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 (写真はクリックすると拡大します。)

 若いお客さまからヨーロッパ旅行のおみやげを頂いた。フィルム缶が
二つ。

 パリの地下鉄の切符が透けて見える缶には、ニジンスキーのお墓の
周りで拾った小石と枯葉・枯れた茎、黒変した何かの種子。
 黄色いレシート入りの缶に、ゲンズブールのお墓で見つけた不思議な
表情を見せる小石(やや大きめ)、緑色のプラスティック・ガラスの
破片(こちらはアポリネールのお墓近く)、そして植物園で拾った土塊。

 ドイツとパリ、ロンドン、ブライトン、ブリストルにいらしたとか。
 「30年前のパリを訪れたかった」とおっしゃる。でも彼はまだ20代
半ばだ。彼なら70年代にタイムスリップしても生き延びられるだろう。
むしろ生きやすいかも知れない。

 むかしから持っているフィルム缶がある。小石が虫ピンに囲まれて
入っている。
 70年にリュクサンブール公園で拾った小石をずっと持っていた。
ある晩、(EP-4)の佐藤薫氏がオブジェ化してしまい、その後ずっと
持ち続けている。

 記憶は言葉だから変容も捏造もできるけれど、でもわたしが持つ唯一の
ものである。それしか持ってないや。
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by byogakudo | 2007-05-14 13:38 | 雑録 | Comments(0)


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