猫額洞の日々

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2007年 06月 05日

「家元の女弟子」読了

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 (写真はクリックすると拡大します。)

 森茉莉が先代の勘三郎向きと評した歌舞伎役者・名探偵・中村雅楽
(がらく)シリーズのひとつ、「家元の女弟子」(戸板康二 文春文庫 93初)
読了。血なまぐさい殺人も時刻表丸暗記の探偵も出て来ない、おっとり
した短篇ミステリ集である。

 老歌舞伎役者が主人公なので、いろいろ歌舞伎や古い東京言葉を知る
ことができる。
 短篇のタイトルになっている「おとむじり」。東京の下町(日本橋
あたり)で、こどもが自分の下に赤ちゃんが生まれるとわかった頃から
あかんぼう帰りして、むずがることを言うそうだ。(p245)
 「壁訴訟」とは、ひとり言。「疝気筋(せんきすじ)」は、見当ちがい。
「人形食い」、いわゆる面食い。(p246)

 この「おとむじり」中に安藤鶴夫のエピソードも混じっていた。
< (略)劇評家の坂東亀夫が、長女の婚礼の時、(中略)挨拶しないで
 サッサと行ってくれといっておいたが、いざというその朝、やはり
 型通り礼を手あつく述べたのに対し、ポロポロ泣きながら、「約束が
 ちがうじゃないか」といったという話(以下略)>
 「ちょっといい話」に入っていてもおかしくない。
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by byogakudo | 2007-06-05 13:33 | 読書ノート | Comments(0)


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