猫額洞の日々

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2007年 06月 18日

「蛇は嗤う」読了

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 (写真はクリックすると拡大します。)

 長崎出版の海外ミステリ・シリーズ、Gem Collection第6卷、スーザン・
ギルラスである。未紹介の作家を次々に訳出する姿勢はありがたい。Gem
Collectionは8月から第2期シリーズもスタートということで、めでたい話だ。
売行きの良からんことを!

 成功を祈るのには訳があって、増刷されて誤植訂正が行われることを願って
いるからだ。出版に追われて丁寧に校正する時間がないのだろうが、フランシス
という登場人物名が3度もフラシスと誤記され4回目にやっとフランシスに戻っ
たり(p40-41)、p153の
<可能性の有無にかかわらずあらゆる場所を徹底的に探し終えると、警部は
 探索をあきらめざるおえなかった。>なんてミスはやはり困りものだ。

 カタカナ表記の好みの問題と言われるかも知れないが、p93
<宿泊客は、サロンとは名ばかりでプラッシュ(ビロードの一種)や椅子カバー
 に覆われたさびれた一階の部屋か、ロビーと食堂のあいだにある休憩室
 (ホワイエ)__ここがバーの代わりをしていた__で時間を過ごすしか
 なかった。>
 たしかfeuilleeじゃなかったっけ? もしそれが正しいなら、フォアイエと
ルビしてもらいたかった。(プラッシュは昔ならフラシ天と記されただろうが
そこまで趣味は押しつけません。)

 肝心の「蛇は嗤う」、ひっそりした印象のロマンティック・サスペンス
だった。タンジールが舞台で植民地の英国人たちが登場するが、いくらでも
派手にハーレクィン・ロマンスになりそうなところを__はい、又しても
ハーレクィンもシルエットも読んだことありません。最初の数頁を読んだ
覚えはあるけれど__ひかえめなタッチで静かにサスペンスを進行させる
ところが素敵だ。
     (スーザン・ギルラス 長崎出版 07初帯)

 
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by byogakudo | 2007-06-18 14:29 | 読書ノート | Comments(0)


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