猫額洞の日々

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2005年 08月 21日

SFの疲れをじーさんで取る

 SF疲れはおじーさん本で直そう。悪い言い方をすればじじむさ本。10年くらい
前から好きになったジャンル?だ。たとえば、山本笑月「明治世相百話」とか
牧野武夫「雲か山か 出版うらばなし」(中公文庫 76初)のような随筆集を指す。

 で「雲か山か」、はしがきが まず おかしい。中央公論社の歴史だけでは一冊分に
足りないので、旅行記を後半加えてあるが、
 
 「私は同伴したワイフのことを細君と呼称することにした。」とあり、配偶者の
 呼び方を28個挙げ、
 「結局ここでは細君におちついた。・・・一ばん穏当だと思い、また一番ぴったりと
 感じが来るのでこれをとったわけである。この場かぎりのことであるということを、
 明らかにしておきます。」と結ぶ。

 この注は何を意味するのか等 考えるのが、おじーさん本の愉しみである。理由は
おそらく あの当時のことだから、奥さんに甘い男と見られるのを憚る気持から
だろうけれど。
 サイノロジー(若い方のために説明すれば、細君+惚気+サイコロジー)だの
鼻下長(びかちょう。文字通りの意味だが、鼻の下が長いという言い回しは
今でも流通しているだろうか?)だなぞという言葉も思い出す。

 「この場かぎりのこと」という結びの言葉がおかしい。むかしの男 全員が
「カミサン連れの旅行なんて」と恥ずかしがりもしなかったと思うが、時代風潮
としては、たしかに まだあった。
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by byogakudo | 2005-08-21 18:57 | 読書ノート | Comments(0)


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