猫額洞の日々

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2007年 06月 26日

ゆっくりと「アルトー後期集成3」を読む

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 (写真はクリックすると拡大します。)

 巻末に鈴木創士氏による解説があり、帯にその一部が引用されている。
<アルトーは明らかに生き延びるために書いたのであり、まさに書くことに
 よって生のただなかに力ずくで居座りつづけたのだ。>

 このフレーズは、鈴木氏のかつての師である生田耕作によるアルトー・
訳書名、「神の裁きとけりをつけるために」のエコーを聴いたような錯覚に
陥らせる。破門されたと鈴木氏は称しているが、師の反俗精神をまっとうに
受け継いだのは、鈴木氏ではないか。

 いつでもどこでもフォロアーは呪わしい。鈴木創士氏は生田耕作の弟子
ではあったけれど、<大正生まれの文学者の精神を自分の精神だと勘違い
した取巻き>(追悼文集「イクタコウサク」に鈴木氏が寄せた文章、
『レクイエム』p73より)ではなかった。なれなかった。それ故に、誠実に
師の元を辞去したのであろう。

< ともあれ、先生との日々の会話のなかから勝手に盗み取ったものが、
 後に翻訳の仕事の技術的基礎を私に与えてくれた。>(『レクイエム』
p75)その成果のひとつを、いま目にしているのである。
   (アルトー/鈴木創士他訳 河出書房新社 07初帯)
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by byogakudo | 2007-06-26 12:35 | 読書ノート | Comments(0)


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