2007年 07月 26日

「青年のための読書クラブ」読了

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 (写真はクリックすると拡大します。)

 ときとところを違えて存在し続けるすべての本読みに捧げられた本だ。
文句なし。素敵です。

 外界とうまくフィットできなくて、ひっそりオンボロ部室に閉じこもり
各人、好きな本に読みふける「読書倶楽部」の概してサエない少女たちは、
性別・年齢・時代こそ違え、お師匠さんの肖像であり、わたしでもある。
 表紙にのみ書かれている英語題名"St. Mariana Girls' High School
The Reading Club for the Youth"のYouthは、young at heartの意で
あろう。物語には少女期と少女の晩年の姿も記されている。
 
 第五章に出て来る「紅はこべ」愛読少女、五月雨永遠(さみだれ・とわ)の
<目立ちたくない、学園においてけっして何者にもなりたくない>(p196)
思いの痛切さ。

 時代の変化をほとんど寄せつけない、卵のような閉鎖系であるお嬢さん
学校・「聖マリアナ学園」、その中のさらなる閉鎖系「読書倶楽部」という
二重の囲い込みは、多くの本読みの願望であろう。

<「(略)部室にいるのは、我々と、彼ら三人。名もなき、力なき者たちだ。
 ぼくたちが世の中を変えることはけしてないだろう。」>(第三章 p128)
 一人称に「ぼく」を選ぶ少女たちは、本に読みひたることによって、
世界への不服従の態度を貫く。アンチではなくナルであり続けることは
不逞の輩足りうる必須条件である。

     (桜庭一樹 新潮社 07初帯)
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by byogakudo | 2007-07-26 12:51 | 読書ノート | Comments(0)


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