2007年 08月 13日
(写真はクリックすると拡大します。) 「影の秋」シリーズとでも呼びたい4枚だ。Sはよく影を撮るのだけれども。 暑さは続いているのに影や空の色は秋を感じさせる。昨日みたいに湿気の少ない 日がずっと続いてくれたらなあ。 さて鈴木いづみ。エッセイ集も読み終える。彼女はモラリストである。 川崎に不良少年インタヴューを試みる「乾いたヴァイオレンスの街」に とてもうつくしい箇所があった。(p27-28) < みるものを拒否するかたい緊張した空気にすっかり興奮して、その なかにおりたつ。神経ははりつめるが、けっしていらだちはしない。 ここにあるものは、すべてむきだしだから。すこしのあいだ、コンクリート によりかかる。トラックがとおりすぎ、運転手がこちらをみる。彼は なにか叫ぶが、声は意味をなす前に分解する。わたしは、へいに はりついている。 タクシーをつかまえるために、国道まででた。こない。やっとのことで 横断し、警察署をとおりこす。ちいさい町工場がいくつもある。男のふるう ハンマーが、ゆらりと頭上に静止する。音はこなごなになって、空間に きえうせる。目にはいるものは、くっきりとしたりんかくをのこす。> 日本のたいていの文学者は音(音楽)がわかってないという偏見を持って いる。彼女は例外だ。 大岡昇平が「山○君の小説はロックが出て来るけど、文章がロックじゃ ないね」と評していたのを「マリクレール」か何かで見た記憶があるけれど、 大概がそう。 (村上龍というのは読んでないので知りません。「山○」と伏字なのは、 たんに名前を覚えてないから。) (鈴木いづみコレクション5 文遊社 96初)
by byogakudo
| 2007-08-13 13:55
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