猫額洞の日々

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2007年 09月 06日

「道具屋殺人事件」読了

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 (写真はクリックすると拡大します。)

 もうだめ。今日は諦めました。店を開けてもすぐ閉めなければならない
様子なので、閉店休業です。台風情報が行き届きすぎるのも問題じゃない
かしら。

 昨夜は結局「道具屋殺人事件」(愛川晶 原書房 07初帯)を読了。
春風亭柳朝へのオマージュがメイン、次が落語と落語界への愛と蘊蓄、
ぐっと下ってミステリという三要素で構成されている。

 「神田紅梅亭寄席物帳」というサブタイトルがついているが、事件と
その解決が紅梅亭だけで起きるのではない。お寺の寄席でも、探偵役で
ある落語家・寿笑亭福の助(じゅしょうてい・ふくのすけ)口演が行われ
事件解決に至るが、解決へのヒントを与えるのはいつも、館山で療養中の
春風亭柳朝(物語では三桜亭馬春(さんおうてい・ばしゅん))。

 柳朝への思いはよく伝わってくるが、ミステリとしてはどうだろう。
落語と柳朝への思いが強すぎて、探偵小説としての結構にまで筆が廻らない
というのか、もし都筑道夫がこんなシチュエイションで書いていたらと、
ふと想像した。

 都筑道夫が書いたとしたら、もう少し犯人への惻隱の情が描かれたり
してるのではないだろうか。どうもその辺り、機械的に犯人が作られて
いるようで、読んでいてふんわりしたものが欲しくなる。
 今を舞台にした落語・ミステリだから、マクドナルドが出て来ようが
別にかまわない。そんなことではなくて、全体に肌理の粗い印象が感じ
られてノレなかった。意図は汲むけれど。
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by byogakudo | 2007-09-06 14:13 | 読書ノート | Comments(0)


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