猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2007年 09月 17日

「クロエへの挽歌」読了

e0030187_13254936.jpg











e0030187_13261656.jpg











e0030187_13263517.jpg











 (写真はクリックすると拡大します。)

 マージェリー・アリンガムのアルバート・キャンピオンものである。
今回のキャンピオン氏は依頼先の人妻に恋してしまったせいか、歯切れが
悪い。(あれ、いつも逃げ腰で探偵していたっけ?! すぐ忘れる。)

 長篇ミステリを三、四日かけて読むのは具合がよくない。一息に読んで
こそ、面白みも増す。ぶつ切れに読んでいると物語の流れも、登場人物の
キャラクターも鮮やかに浮かばなくなる。

 福永武彦が「深夜の散歩」で述べている、都筑道夫式ミステリ読書法を
採用すべきだっただろうか。

< 都筑道夫君の説によれば、翌日の勤めに差障りのない読書の限界
 時間は、午前三時だそうである。そこでもしも三時になっても、一冊の
 探偵小説が終らない場合、というより、彼が真犯人の名前をどうしても
 当てられない場合はどうするか、と僕がたまたま訊いたら、都筑君は
 平然として、そういう時は、終りの方を先に見てしまい、安心して
 寝ます、と答えた。とばしたところは、翌日、改めて読むんだそうだ。>
 (p14 講談社文庫 81初)

 これもねえ。探偵小説作家を志して分析的に読むのなら、アリだけれど、
たんに愉しみに読むには、わたしは採用しかねる。流れに身をまかせて
読むのが愉しいのに。(だって、最後に名探偵が解決してくれると読者は
わかっているのだから、安心して怠惰に読んでいればいい、というのが、
わたしの立場。)

 キャンピオン氏は執事に辞められた依頼人のために、自分の従僕を
代わりに派遣する。従僕氏は元犯罪者(たぶん泥棒)で子どもに優しい。
 家庭内がごたついて、かまってもらえない少女を不憫に思い、慰めようと
彼女に自分の知識をさずける。いわく、ヘアピンを使ったドアの開け方、
スリー・カード・モンテ実践法等である。このキャラがすてき。
   (マージェリー・アリンガム 新樹社 07初帯)
[PR]

by byogakudo | 2007-09-17 13:28 | 読書ノート | Comments(0)


<< 雑司が谷スライド集      新派版「イーサン・フロム」 >>