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猫額洞の日々

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2007年 10月 06日

ジーヴスもの2冊読了

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 国書刊行会版P(ペルハム)・G(グレンヴィル)・ウッドハウスを
2冊読了。「比類なきジーヴス」と「よしきた、ジーヴス」
(どちらも05初帯)である。
 ところで、部屋の本棚を奥深くのぞいてみたら、ウッドハウスは
さらにもう1冊あった。つまり文藝春秋社版が2冊、国書版を1冊
持っていたのだ。読んでいるのに、きれいに忘れる。

 しかし、ということは、国書刊行会版ウッドハウスは、あと2冊、
「それゆけ、ジーヴス」と「でかした、ジーヴス!」が入れば全部
揃うことになる。誘惑的である。少なくとも国書版のセットができる。
そうなると、文春版揃いも欲しくなるだろうな・・・。
 いけない、個人コレクションの充実ばかり考えてる。まだ古本屋
だったのを忘れちゃいけない。思いはしばし封印しておこう。

 「比類なきジーヴス」の方はよかったのだけれど__短篇集で
読んだことのあるエピソードが長篇に使われていても、無理なく
収まっている__、「よしきた、ジーヴス」は少し疑問がある。
何かひとつ要素が欠けているような不満を感じる。

 「よしきた、ジーヴス」では、「紳士の身の回りの世話をする
紳士」たるジーヴスの知恵は最後の最後まで取っておかれる。
服飾の趣味に難あるご主人・バーティ氏が、今回は南仏アラモード
「金ボタンの白いメスジャケット」にいたく執心して、ジーヴスの
頭脳を借りようとしないからである。

 ジーヴス登場が遅れるからだけではなく、何か足りなくて長篇が
たるんでしまった感じがするのだが、欠如した要素が何であるのか。
それを考えるには、同じくどたばた長篇でも「ウースター家の掟」
を再読すべきであろうか。こちらはめくるめく傑作だった。両者を
読み比べると違いがわかるかも知れない。いずれ試そう。

 今週の新着欄です、よろしく。また連休なのですね。
 新着欄

by byogakudo | 2007-10-06 11:53 | 読書ノート | Comments(0)


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