2007年 10月 09日

「最後から二番目の真実」読了

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 SがPh.K.ディックを2冊手に入れた。ディックならわたしも読みたい。
彼は「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」をもうすぐ読み終えて
次に取りかかりそう。待てばいいのに我慢できず、もう1冊の「最後
から二番目の真実」をもらって昨日一日で読み終えた。大急ぎで。

 雨で暇だったので店で読み、部屋に戻って読みして、日付が変わる頃に
読み終わった。そこまで急ぐ必要はなかった。「パーマー・エルドリッチ」
はまだ終り近くに栞が挿んである。でも、今夜はわたしの番だ。

 「最後から二番目の真実」はかつてのサンリオSF文庫版ではなく、出て
間もない創元SF文庫版(07初帯)。ディックが出版され続けているのは
嬉しい。ハヤカワ文庫とともに続きますよう。

 新訳の「最後から二番目の真実」、サンリオ版は読んでいなかったが、
これはまるでヴォークト「非A」シリーズのディック・ヴァージョン。
ただしディック版なので、出てくる男たちが、かなり女々しい。インテリ
の弱さ全開である。倫理観と行動への恐怖のはざまで悩み、結局、恐怖に
打ちのめされ敗走する。志気が上がらなくって、これこそディックだ。

 一応、正義の味方側が最後に勝利するのではあるが、しかし誰が勝っても
全員が幸福になるとは限らないと、この期に及んであれこれ不安なことを
述べるのが、まったくディックらしい生世話ものSF。素晴らしい。
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by byogakudo | 2007-10-09 15:13 | 読書ノート | Comments(0)


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