猫額洞の日々

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2007年 11月 03日

「ジグザグ」読了

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 お客さまから頼まれていたポール・アンドレオータ「ジグザグ」
(HPB 72初帯)を見つけた。アンドレ・オータではなくANDREOTAだ。
ピエール・ドゥ・マンディアルグみたいのもの? 違いますね。

 連絡する前に覗いてみたら、面白そう。急ぎ、昨夜中に読み終える。
60年代から70年頃のパリの先端的な人々(広告代理店勤務の主人公、
ファッション写真家にモデル等)の間に繰り広げられる恋愛模様が前半。
あのころのフランス映画タッチだ。みんな表面的にはクールな恋愛を
見せていながら、傷つき・傷つけ合いを繰り返す。

 安っぽく才気走ったお洒落な会話にファッション。「恋するガリア」
か「栗色のマッドレー」か。(なぜかミレーユ・ダルクが出ていそうな
空気があるが、作者は一時、映画界にいたらしい。)
 永遠をもたない贋の宝石のきらめきさえ感じる。好みである。

 ところが殺人事件が起き、シーンが法廷に移るとタッチが一変する。
ちゃんと本格ものになるから不思議だ。フランス・ミステリはつじつま
が合わなくても平気と思っていたら、例外もあるのか。
 どんでん返しに次ぐどんでん返し。オチもついている。風俗小説である
だけでなく、なかなか立派にミステリだ。

 同じ「フランス推理小説大賞」受賞作家のフレッド・カサックほど
ファンにはならなかった。手元に潜めるほどではないから、今日
お客さまに入荷の電話を差上げたら
 「こないだ手に入れちゃった」
 残念。でも「日曜日に埋葬しない」を貸して下さるようお願いしたら
聞き入れてくださる。よかった。

 今週の新着欄です。よろしく。
 新着欄
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by byogakudo | 2007-11-03 15:40 | 読書ノート | Comments(0)


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