2007年 11月 05日

「東方の黄金」「嘘つき」読了

e0030187_13434711.jpg










 「東方の黄金」、こんなストーリーだったか。呑んべえ・へぼ詩人の
トリックスター振りがやはり愉しい。あと、ヒューリックの名刺が写真版
で見られたこと! 「ヴァン・グーリック」表記は、日本人が読みやすい
ようにと考えた結果ではないだろうか?
   (ロバート・ファン・ヒューリック HPB 07初 VJ 帯)

 読みかけだった「嘘つき」(ヘンリー・ジェイムズ 福武文庫 89初)を
終わらせる。標題作「嘘つき」は嘘というより自己欺瞞のはなし。
神が死んで、虚偽は神とひととの間の問題ではなく、心理的な事柄に
属するようになった、ということなのだろう。作家は心理状態を写す
ことがその作業になった、ってことかしら。
  
 第三話「モード・イーヴリン」は、もっと怪談らしい怪談にして
くれてればなあ。14歳で死んだ娘がもし生きていたらと、文字通り
死児の齢を数える両親が、ついに自分たちの妄想世界に、他者まで
巻き込むストーリーを本筋にすれば怪談。伝聞体で書かれているので
朦朧としたままである。ジェイムズはべつに古風な怪談が書きたかった
訳ではなかったのだろうから、仕方ないけれど。

 森茉莉ファンのお客さまからお借りしている「『父の娘』たち」
(矢川澄子 平凡社ライブラリー 06初)を読み出す。反射的に「『母の
息子』たち」と思い浮かぶが、日本近代文学にごまんとあり過ぎて、
どうでもいいや。
 表紙のアールデコくずしの薔薇の絵は、原マスミだった。
[PR]

by byogakudo | 2007-11-05 13:45 | 読書ノート | Comments(0)


<< ヒゴヒロシさん・イワミカイさん...      「東方の黄金」もう少しで終わる >>