2007年 12月 05日

「眠りと死は兄弟」もう少し/ソレルス着

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 ピーター・ディキンスンの巧さと言うのは例えば、ピブル元警視が
キャシプニー患者を診る、若い友人の医師を訪れるシーン。

 診察中なのでピブル氏は待っている。まず彼の視線で室内の様子を
描き、窓からの風景を見せる。ぼんやり眺めながら、そのうちに
ピブル氏は若い医者と知り合いになった頃を回想する。警察を辞め、
パブで話す相手として親しくなったのだが、ここまでにp51-52の
上下2段組みが費やされる。そしてp52下段からp53上段で、いきなり
オンタイムに戻る。

<・・・ブラック・ブート(注:パブの名前)でさしで討論をする
 クラブみたいなものがピブルには必要だったのである。
  たった二人しかいないクラブのメンバーだが、さて相手はこっち
 から何か得るところがあったかな、と、なにもこれが最初じゃない
 けれども、とにかくそう思いながらくるりと背をひるがえしたら
 ケリー(注:若い医者)がちょうど腰をのばし鼻唄をうたいはじめた
 ところだ。>

 かっこいいなあ。官能的ですらある。英語で読めたら、もっと
スリリングな場面転換ではなかろうかと、また悲しむのですが。

 ピブルはPibbleと綴るらしいが、なにか聞き覚えのある響きだと
思ったら、pebbleだ。小石の意味のほかに俗語で「とるに足らない
人」の意味もあったのではないか? もしそれでPibbleと名づけたと
したら、皮肉ではあるがたしかに物語のピブル警視にぴったりだけど、
英語知らずの言ってることですから、本気になさらないでね。

 さっき「女たち」(フィリップ・ソレルス 鈴木創士訳 河出文庫
07初帯)上下巻が届いた。ありがとう! 読みます!
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by byogakudo | 2007-12-05 13:32 | 読書ノート | Comments(0)


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