2007年 12月 06日

「眠りと死は兄弟」読了/ソレルス後書き

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 ピーター・ディキンスン「眠りと死は兄弟」(HPB 74初)読了。
架空の病いなのに実在感いっぱいのキャシプニー患者。ゆらゆらと
水底を歩くように、よろめきたゆたう子どもたちのスピードに
合わせたかのような、ゆっくりした展開が終盤、一気に加速する。

 コントラストをねらっているのはわかる。だが、どうも繋がりの
悪さを感じる。唐突感が消えない。じゃあ、どうすればいいったって
わたしに訊かれても困るのだが。
 時代錯誤な貴族の老夫人のエピソードを削る手もあるが、彼女は
魅力があるし、火事場で長々としゃべるシーンも物語の設定上、
いらないとは言えない。
 終わりのどたばた感がなければ、favouriteになっていた。

 「女たち」(ソレルス 鈴木創士訳 河出文庫 07初帯)下巻の
後書きだけ、まず読む。

<・・・そもそも文体とは、文章のニュアンスのみならず、
 そこに書かれた意味作用と不可分であり、けっして思考の内容
 から切り離すことはできない。つまりいま語られつつある
 意味によって自ずとそれにふさわしい様式が要請され、しかも
 作品の生命ともいうべき文体のテンポとトーンは、書き手の
 思考の速度によって決定されるのである。なぜなら発せられた
 個々の文章は、必ずそれを記述する作家の肉体を通過せざるを
 得ないからだ。>(p434-435)

 ところでこの1週間ばかり、ありがたいことに買取が続き、
キングズリイ・エイミス「グリーン・マン」(早川書房 74初帯)も
手に入った。「女たち」との併読は可能だろうか?
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by byogakudo | 2007-12-06 14:01 | 読書ノート | Comments(0)


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