猫額洞の日々

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2007年 12月 09日

キングズリ・エイミスは猫飼いに違いない

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 猫の蔵書票が買取本に挟まっていた。「上げます」と言って下さった
ので、晴れてご紹介。クリックすると実物より大きくなります。

 「グリーン・マン」を読んでいると、猫飼いに違いないと思われる
描写がある。ヴィクトル・ユーゴーと名づけられた猫だ。

< ゆっくりだがしっかりした彼(注:主人公の父)の足音が聞こえ、
 しばらくしてドアがあいた。ヴィクトル・ユーゴーがさきに
 さっさと敷居をまたぐのを見ると、彼はそっけない口調で
 面倒くさそうに何か言ったが、ヴィクトルはほかのたいていの人
 よりも彼によくなついて、しょっちゅう彼の足にまとわりつく。
 これは青いブチのシャム猫で生まれて三年になる去勢された雄猫だ。
 今もそれはいつものように、危険はないだろうが君子あやうきに
 近よらずだと言わんばかりに、何か逃げるような格好で半分走る
 ようにして入ってきた。わたしがいるのに気がつくと、これまた
 例によって、わたしが誰かということよりも、わたしの正体がよく
 わからないので、それがはっきりするまでは考えものだぞといった
 様子で近づいてきた。・・・わたしのそばまでくるとヴィクトルは
 そうした思案はやめにして、どこか急所を射ぬかれた象みたいに、
 ドサッとわたしの足に倒れてみせた。>(p29-30)

<ドアを引っ掻く音がしたので、ヴィクトルを入れてやった。・・・
 彼はわたしのそばを駈けぬけた。わたしがかがんで撫でてやりだすと、
 彼は躯をかたくして、あまり遠くないところを走る旧式なモーター・
 バイクのような音を立てて咽喉(のど)を鳴らした。わたしが本棚の
 そばの読書椅子に腰をおろすと、彼はわたしの膝にのったが、
 彼の背中を机がわりに使ってもぜんぜん怒らなかった。>(p123-124)

 まったくもう、とっても猫。
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by byogakudo | 2007-12-09 14:08 | 読書ノート | Comments(0)


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