猫額洞の日々

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2007年 12月 23日

M.ギルバート「大聖堂の殺人」読了

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 感想文の前に、J(カヴァ)デザインについて少し。

 ISBN導入の頃はまだいい。定価や出版社名のついでに横一列に
記せば、それですんだ。バーコード以来がいやになっちゃう。2段の
バーコードを1段にして横一に並べると、腕を横に動かすので、レジ
隣りの人とぶつかるから、たぶん効率が悪いというのだろう。

 どんなにデザインに頭を使った本であれ、裏ジャケットはみんな
おんなじ。少なくとも3.5×3cmはバーコードの分として予め使用
不能ゾーンができてしまうのだから、ええい、ついでに値段も
出版社名もその下にまとめちゃえ、となるのは必然である。

 どうにも解決できないと思っていたら、マイケル・ギルバート
「大聖堂の殺人」(長崎出版 07初帯)の裏Jにやっと気がついた(写真
右側)。図案化して絵柄の中に埋め込む方式だ。これがあった。

 しかし全部の本をこうする訳にも行かず、考えられる手は、和田誠
方式しかない(写真左)。バーコード分を無視してデザインし、上から
バーコードを貼付ける。買った人は剥がしてオリジナルの装釘を愉しむ。
これしかありえない。でも貼付ける手間の分だけコストもかかる
のだろうか、あまり見かけない。

 かしこい装釘と、表紙やジャケットのややざらついた紙面が
うれしい「大聖堂の殺人」。盛り沢山な趣向のなかで特筆すべきは、
クロスワード・パズルを用いた遺書(正確には遺書の在り場所の
指示書)であろう。そんな阿呆なことを考える奴がいるものか、なぞと
思うようでは本格探偵小説は読めない。一応、インテリ階級の友人
同士でのやり取りだから、そういう可能性だってあり得るのです。

 タイムズのクロスワード式だと言いながらインテリお坊さん二人が
解いて行くが、その難しいこと。英文学にラテン・ギリシア語に
アメリカ英語に、その他どれくらいの知識教養があれば解けるのだか、
気が遠くなる。タイムズなんぞ読む気遣いはないからいいようなものを。

 あと、大聖堂を囲む住居のあちこちで猫が飼われているのも、いかにも
イギリスの大学街や教会境内の感じで、愉しかった。猫の描写はキング
ズリ・エイミスほど丁寧ではなかったけれど。

 昨日の新着欄に3冊ほど追加しました。よろしく。
 新着欄
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by byogakudo | 2007-12-23 14:23 | 読書ノート | Comments(0)


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