猫額洞の日々

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2008年 01月 17日

ソレルス「女たち」(上下)読了

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 1月7日から読んでいたから、10日かけて読了。最長不倒読書
期間を樹立したが、読み終わってみると、あっという間にも思える
不思議な読書体験だ。中断しなくってよかった。

< 「(略)彼は何を証明しようとしているのか? <ファルス>と
 <パロール>のあいだの、境界としての同等性だ... それを
 感じ取れるようにするには、ひとりの女、しかもただひとりの
 女が、神の言(ヴェルブ)によって内側から穴をあけられたのだろう、
 と仮定すればいい... 神の<パロール>... 論理的には、蘇ることの
 できるひとつの肉体を産むことによって...」
     (中略)
< 「つまりこのファンタスムは、これがそのひとつであるとすれば、
 諸現象のなかの不可能なものに最も近いところにあるのだろう、
 つまり単なるリアリティではない現実的なものに...」
     (中略)
< 「その結果、聖母マリアはそれ自身はひとつの穴として定義される
 ことになる... 男根的母親とは絶対的に反対のものだ... 完全に
 一個の穴。マリアの身体はひとつの穴だ。端から端まで貫かれた
 ... そこからマリアの無原罪の御宿りと聖母被昇天がもたらされる。
 結局それは、ヴァギナを絶えずふさがれた偽の穴として鮮やかに
 開陳することになる、これについては世界全体が幻覚にとらわれて
 いて、門前払いをくらっているんだ...」(下巻p229)

 ここいらがドゥンス・スコトゥス神学なのかしら? あんまり
ここらを引用・強調すると難解でめんどくさい小説かと誤解され
そうであるが、ポルノグラフィックに彩られた閉塞的現代社会
(ヨーロッパに限らない)を描いた、まぎれもなく「小説」だ。

<(略)世界的な中産階級、いたるところに存在しているミドル・
 クラスとは何か、(中略) 思い切って答えよう、パンストだ。>
(上巻p453-454)には笑った。たしかにそうだけれど、ソレルス
自身もパンスト嫌いなのだろう。

   (フィリップ・ソレルス 鈴木創士訳 河出文庫 07初帯)

 1995年1月17日、阪神淡路大震災。
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by byogakudo | 2008-01-17 13:13 | 読書ノート | Comments(0)


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