2008年 01月 22日

小林信彦「素晴しい日本野球」読了

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 うまいなあと、何をいまさらな感想を抱きながら愉しく読了。
あっという間に読み終わるのが欠点だ。

 敗戦後の日本が(旧)ソ連に占領されていたら、という設定の
「サモワール・メモワール」でのTV番組構成エピソードが好きだ。
 8月15日は「解放記念日」と呼ばれているが、その日に放送する
「流行歌で綴(つづ)る戦後史」のために、主人公と友人のTV人とが
選曲を考える。

 いわく「ハバロフスク小唄」「憧(あこが)れのナホトカ航路」
「おばこマドロス」「モスクワだよおっ母(か)さん」「ナホトカの
女(ひと)」「デカブリスト三度笠」「革命ドドンパ娘」「哀愁鉄道」
「嵐(あらし)を呼ぶ労働者」「ギターを持った労働英雄」等々。

 次期の芸術大臣の噂のある三波春夫先生のコーナーは、
「ちゃんちきタワリシチ」「ヴォルガ川無情」「ステンカ・ラージン」
「ピョートル大帝土俵入り」「ナロードニキ月夜」「民衆(ナロード)
さんよ」、そして「世界の人民こんにちは」で締める。
 「ステンカ・ラージン」は浪曲と台詞(せりふ)入りだ。浪曲部分の
おかしさは最高だけれど、長くなるので引用はやめる。

 しかし、このおかしさは、今の若い方は笑えるかしら? 元ネタを
知らないで、パスティーシュやパロディはどこまで通じるか判らないが、
小林信彦の抱く苦々しさだけは、感じられると思う。

   (新潮文庫 87初)
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by byogakudo | 2008-01-22 13:38 | 読書ノート | Comments(0)


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