2008年 01月 28日
今日も凍てつくような写真です。クリックしてお愉しみ下さい。 「ヨット船上の殺人」(C.P.スノウ 弘文堂新社 67新装初)、 好きなタイプの探偵小説ではあるけれど、日本語訳の恐ろしいこと。 「ハムレット復讐せよ」(HPB 57初)の日本語と、どちらが兄で弟か、 近しさの感じられる変な日本語だ。 <私は棚を見つけ、わたしの身についてしまっている、きちっとした やり方で、その上に時計、カラーボタン、ネクタイを整頓した。> (p14下段) 「わたしの」は要らないし、「身についてしまった」であろう。 <一週間前に乗船してからの最初の立食であった。>(p16上段) これは誤植かもしれないが、「してからの」の「の」は要らない。 <一行中で、わたし以外にきちんと服装をしているのは彼女だけ だった。>(p21上段) 「きちんとした服装」の誤植だろうか。 <わたしの年代のものが多くそうであるように、わたしもさまざまな 変死体を見てきた。そのうちある記憶は、わたしの生きている限り、 眼前に生き生きと残るであろう。>(p23上段) 「生きている限り」「生き生きと」残るのか。似た表現が近すぎる。 <「(略)それには、まったくいままで通りにやっていくように することだ。そのことがはっきりなるのが、早ければ早いほど よいわけさ」(p31上段) 「はっきりなる」ではなく「はっきりする」の誤植か。 少なくとも数頁に一回はひっかかる表現が出てきて、その度に 自分なりの日本語を考えているものだから、ちっとも進まない。 ご苦労さんな重箱の隅体質がいけないのだが、得意のヤマカンで 判断するに、原文がそんなに凝った文体とは思えないので、英語は 読めるが日本語は苦手な翻訳者の責任ではないかと、愚考する。 どこかで新訳を出さないかしら。 そのうち慣れて諦めても来るだろうから、できるだけ読み飛ばそう。 日本語さえ気にならなければ(!)のんきな英国調ミステリとして 愉しめる筈だ・・・。 1月31日に続く~
by byogakudo
| 2008-01-28 14:34
| 読書ノート
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