猫額洞の日々

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2008年 02月 04日

「新奇談クラブ2」「不死販売株式会社」読了

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 雪降りの夕方から夜にかけて野村胡堂「新奇談クラブ2」
(春陽堂 文庫 39年20刷)を読み終わり、夜中はロバート・
シェクリイ「不死販売株式会社」(HPB 71初)の続きを読み終えた。

 野村胡堂の方は時々あらえびすになるのが面白い。時代ものの
「魔の笛」__綺堂の笛の話と違って、ちっとも怖くない__
にも(p134)
<・・・ヴァイオリンやピアノは、名手の使ひこんだのは、
 大変珍重されて居ることは、世の人の知るところであります。
 蓄音機などでさへ、特殊の良いレコードばかりかけると、
 その器械の質はますますよくなり、よいのも悪いのも上手のも
 下手のも、めちやめちやにかけると、器械は晴朗名な音色を
 失つて、だんだん悪くなるとその道の人は申して居ります。>
 ほんとかしら?

 シェクリイは「精神交換」でもそうだったけれど、終わり近くに
シノプシスだけの記述が出てくるのは、なぜだろう? 

 「精神交換」ではマニ教的な善神と悪神の対決が、描写ではなく
梗概筆記みたいに書かれていたし、「不死販売株式会社」では
心が失われたら本当の死が訪れるという設定下、何人もの人々の
心をちょっとずつ間借りしながら逃亡するシーンがあって、
ダイジェスト風に記される。物語の終わりが近づくと面倒くさく
なっちゃうの?
 疑問はあっても、それなりに面白く読めたが。

 路地に雪の溶ける音がひびく。「ひかげの花」が読みたくなったが、
いま、部屋にもなかったんじゃないかしら。
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by byogakudo | 2008-02-04 12:53 | 読書ノート | Comments(0)


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