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猫額洞の日々

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2008年 02月 14日

「ハマースミスのうじ虫」半分ほど

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 昨夕、中学時代の友人から本の詰まった慰問箱が届く。お礼の
電話をかけてしばらくおしゃべりしていたら、なんと彼も
ヒューリック「ディー判事」シリーズのファンだった!

 お師匠さんでさえ、あまり感心されない(謎解きミステリとして
見た場合)様子のヒューリックだが、身近に同好の士がいたとは。
 彼は全巻持っているそうで、もし買いそびれたりして古本屋にも
出回っていない非常事態に陥っても、借りて読むことができる。
部屋に持っていたいから新刊書店に買いに行きますけど、万一の
際に安心。よかった。

 慰問箱から早速「ハマースミスのうじ虫」(ウィリアム・モール
創元推理文庫 06初帯)を取り出す。奇しくもグレアム・グリーンに
引き続いて、MI5出身作家のミステリを読むことになった。タイトル
だけ知っていて前から読みたかったのだが、作者に関する知識は
なかったのでちょっと驚く。

 さて原作は1955年刊。おっと、ここにも出て来た「英米人は
封筒の裏にノートする」事例。

 ワイン商である素人探偵・キャソンと、友人のストラット警視が
卑劣な恐喝犯人像を推理する場面(p47)。
< ストラットは、ポケットから皺くちゃの封筒を引っぱり出して
 広げ、裏に書いた速記のメモに目を通した。>

 その後にも(p183)
< 「(略)とにかく、朝から晩まで尾行させる。」ストラットは
 くたびれた封筒に走り書きした。>
 「くたびれた」とあるからp47の封筒と同じものだろうか?
 そんなに余白が残っていただろうか。

 この太鼓腹のストラット警視はフランス文学に趣味があり、
キャソンから本を借りる(p56)。
<『学校のクローディーヌ』というコレットの初期の小説で、
 一九00年に最初の夫だったウィリーの名で出版されたものだ。
 その本をキャソンは緑色のまだら模様の革で装幀させていた。>

 コレット「クローディーヌ」ものを読むイギリス人というと
1月31日に書いた「ヨット船上の殺人」にも登場する。英国人には
コレット好きが多いのかしら?

by byogakudo | 2008-02-14 14:24 | 読書ノート | Comments(0)


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