猫額洞の日々

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2008年 02月 19日

「月のころはさらなり」読了/可哀想なメイプルソープ

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 いちおう民俗学風ではあった淡い青春ミステリ。悪くはないが
特にすごくもない。文章も下手ではないし、まあ、近頃では
いい方なのだろう。

 取り残されたような山村のユートピアvs管理社会やドメス
ティック・ヴァイオレンス問題と、対立軸もあるけれど、
物語を動かすダイナモではなく、あくまでも淡い青春もの。

 癒しや救済の意識なしに小説は書けないものかと、やっぱり
思ってしまうところがある。そういうものが需要としてあるの
だろうが(本当に?)、世の中にちまちまと目配りしない、
屹立した小説世界が、わたしは欲しい。
 あれっ、褒めるつもりで書き出したのに・・・。

     (井口ひろみ 新潮社 08初帯)

 毎週通っている歯医者のラジオで、アップリンクが輸入しようと
して、税関で猥褻物扱いされたメイプルソープ写真集の件に
最高裁判決が出たことを聞く。

 99年には猥褻で、08年には芸術作品となったメイプルソープ。
「芸術か猥褻か」という命題の立て方自体、間違いだと思うし、
メイプルソープが無名の写真家だったら猥褻物扱いしてよいと
読める判決文だ(こちらはasahi.comから。)

 性器の写真より見る者を傷つける映像(や音)はTVに氾濫
しているけれど__ニュース番組を読み上げる際のバックの
音楽や効果音、再現フィルムに使われる、いかにも悪人風の
声音の台詞のやり取り。子どもが縛られているシーンを平然と
見せるTVドラマを見かけたこともある。__これらに傷つく
方がおかしいのか。

 猥褻とされる映像は見たい人は見ればよいし、見たくない
人に強制することだけ避ければいいんじゃないか。公的機関は
猥褻物を取り締まる暇があったら、他のことにエネルギーを
使えばいい。
 個的には「清貧のナントカ」や「カントカの品格」は
断じて退け、見苦しいTVを消して暮せばいいのです。
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by byogakudo | 2008-02-19 13:49 | アート | Comments(0)


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