猫額洞の日々

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2008年 02月 23日

昨日の補遺/伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」読了

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 昨日分につけ加える。
 近頃の日本人マジシャンは見せ方が洗練されています。
また、自分のキャラクターをよく理解して、あえて中年ぽく
ダサく見せてみたりもするし、かつての田舎臭い演技の
手品師を思うと隔世の感がある。

 「たかが映画じゃないか」に倣って「たかがミステリ
じゃないか」ともいえる。だからといって下手に書かれて
よい訳ではない。

 名前は知っていたが初めて読む伊坂幸太郎「ゴールデン
スランバー」(新潮社 07初帯)、力作だった。よい脚本家に
恵まれたハリウッド・アクション超大作みたいな読後感。

 ケネディ暗殺事件に「1984」を足して今の日本を描く
__但しこの日本では首相公選制。__パラレル・ワールド・
アクションとでも言おうか。感じは良いけどめだたない、
何をやっても無難に収まりそうな主人公が、オズワルド役を
押しつけられて逃げ回る物語なので、首相公選制にしないと
物語が成立しないが、無理なく読ませる。

 ここでも主人公とその仲間は30歳くらいだ。大学当時の
友人たちを巻き込みながら、巻き込まれ型ヒーローが逃走する。
体力のある時期じゃないと逃げ切れませんが。 

 逃走劇と大学時代のエピソードとが交互に視点を変えて、
各人の立場から描かれる。フラッシュバックの入れ方なぞ、
ほんとに巧い。読み終わった後、第三部のルポルタージュ・
タッチの必然性がわかったり、力のある作家だ。

 ところでこれで3作続いて、トイレ行き描写のある日本の
ミステリを読んだことになる。わたしはこれもデータを
集めるのだろうか。誰か他の方にお任せしたい。

 今週の新着欄からご紹介。
 写真入りの「美容手帖」は奥付欠が残念だけれど、最後に
出てくる「歌で教える美容の知識」を少々引用。

<朝洗う手はなで上げよ逆にせば しわ多くなりキメあらくなる
 朝顔洗いたまごの白味をば ねつてふきとれ、キメ細くなる
     (中略)
 眼の玉の大きい人は眼の下の白粉 少しこくぬるがよし
 眼の細き人は白粉、眼の上に 少し濃くぬれ丁度よくなる>

 新着欄
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by byogakudo | 2008-02-23 15:44 | 読書ノート | Comments(0)


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