猫額洞の日々

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2008年 02月 26日

「石蹴り遊びのパリ」

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 小型のパリ地図が欲しい。コルタサル「石蹴り遊び」を開く
度に、そう思う。毎日パリをうろつくだけの、夜は友人たちと
ウォツカを飲みながらジャズを聴くだけの「サンジェルマン・
デプレの青春」、「セーヌ左岸の恋人たち」。50年代、ジャズが
ロックだったころの若い異邦人たち。(現在を「ロックがヒップ
ホップだったころ」とは言えるだろうか?)

 5階の屋根裏部屋に集い、緑色の蝋燭の灯りの下、煙草の煙と
ジャズとおしゃべりと、ただそれだけで過ごされる無為の時間。
外部は、採光窓をうつ雨の音しかない。

 シュルレアリスムの伝統に忠実に(?)、恋人たちは場所を特定
しないまま、デートを約束する。偶然性はいつも必然性に帰結し、
彼らは角を曲がった途端に相手を見いだす。

 恋人たちの歩く街々を撮った写真集「石蹴り遊びのパリ」が
あるそうだが、今でも手に入るだろうか。これも欲しい。地図と
ともに一緒に散歩したい。ノスタルジーとばかにされてもいいさ。
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by byogakudo | 2008-02-26 12:52 | 読書ノート | Comments(0)


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